妊娠中のポリフェノール摂取はどうするべき?安全な摂取方法と注意点

妊娠中は、母体の健康だけでなく、胎児の成長に影響を与えるため、栄養に特に気を遣う必要があります。注意が必要な栄養の一つとして、ポリフェノールがあり、健康をサポートする効果が期待されていますが、妊娠中には摂取量を気にかける必要があります。

今回は妊活の教科書より、妊娠中におけるポリフェノールの摂取をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。

目次

ポリフェノールとは?

ポリフェノールは、植物が持つ天然の化合物であり、私たちの健康にさまざまな良い影響を与えることで知られています。ワインや緑茶、カカオ、果物などに含まれており、健康志向の人々の間で注目を集めています。

ポリフェノールに期待される効果

まずは、ポリフェノールの効果から見ていきましょう。

抗酸化作用

ポリフェノールの最もよく知られた効果の一つは、強力な抗酸化作用です。抗酸化物質は、体内の「活性酸素」を抑える働きをします。活性酸素は細胞を傷つけ、老化や病気の原因となるとされていますが、ポリフェノールを摂取することでそのダメージを軽減することができます。

アンチエイジング

ポリフェノールはアンチエイジング効果が期待される成分としても注目されており、肌のシミやシワの軽減に寄与することが研究で明らかになっています。

免疫力向上

ポリフェノールは、細胞を老化させる活性酸素を除去する働きがあるため、免疫力も向上させる働きがあるとされています。

ポリフェノールの過剰摂取がもたらすリスク

ポリフェノールは健康に良いとされる一方で、妊娠中の過剰摂取には注意が必要です。

鉄分吸収の阻害

ポリフェノールの一種であるタンニンは、鉄分の吸収を阻害することが知られています。妊娠中は貧血のリスクが高まるため、鉄分を十分に摂取する必要がありますが、ポリフェノールを多く含む食品や飲み物を過剰に摂取すると、鉄分不足を引き起こす可能性があります。

カフェインに注意が必要

ポリフェノールを多く含む食品や飲料には、カフェインを含むものもあります。例えば、コーヒーや緑茶はポリフェノールが豊富ですが、妊娠中にカフェインを摂りすぎると胎児の発育に影響を与える可能性があります。

胎児動脈管早期収縮のリスクが高まる

妊娠中にポリフェノールを過剰摂取すると、胎児の血管が狭まったり閉じたりする胎児動脈管早期収縮(PCDA)のリスクを高める可能性があるとされています。

妊娠中のポリフェノール過剰摂取は避けること

妊娠中のポリフェノール摂取量の目安は決まっていませんが、毎日500~1,000ミリグラムをとっていた症例が多いため、参考の一つしてください。1,000ミリグラムはルイボスティー1.5リットル、ココア10杯、高ポリフェノールチョコ50グラムに相当します。

医師や栄養士と相談する

妊娠中の体調や栄養状態は個人差があります。ポリフェノール摂取やその他食品に関して不安がある場合は、医師や栄養士に相談し、適切な摂取方法をアドバイスしてもらいましょう。

サプリメントの使用について

ポリフェノールをサプリメントで摂取する場合、過剰摂取のリスクが高まるため、注意が必要です。サプリメントを使用する際も、必ず医師に相談してください。

まとめ:妊娠中のポリフェノール摂取について~過剰摂取がもたらすリスク~

いかがでしたか?今回の内容としては、

  • ポリフェノールは抗酸化作用や免疫サポートなど有益な効果が期待される
  • 過剰摂取は鉄分吸収の阻害やカフェイン過多などのリスクを伴うため、適量を守ることが重要
  • ポリフェノールを含め、妊娠中の食事について不安があれば医師や栄養士と相談すること

以上の点が重要なポイントでした。ポリフェノールの摂取は様々な効果が期待できるものの、妊娠中はその摂取量について気に掛けると良いでしょう。

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この記事の監修

成川希のアバター 成川希 産科婦人科専門医、女性ヘルスケア専門医、日本抗加齢医学会専門医、産業医

岐阜県生まれ。岐阜大学医学部を卒業後、同大学産婦人科に入局し岐阜県内の病院で勤務。AUCM(米国補完医療大学)、インド国立グジャラートアーユルヴェーダ大学病院、JIVAアーユルヴェーダクリニックなどでアーユルヴェーダの研修と実践を重ねる。
2016年から東京に拠点を移し、都内婦人科で臨床医として現場に立つ一方、2022年9月よりアーユルヴェーダの観点からの診察・施術を行うAyurvedaUniverse(アーユルヴェーダユニバース)代表。
産科婦人科専門医、女性ヘルスケア専門医、日本抗加齢医学会専門医、産業医

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