妊婦が食べてはいけないものとは?避けるべき食品について

妊娠中の食生活は、母体だけでなく胎児の健康にも大きな影響を与えます。そのため、何を食べるべきかだけでなく、何を避けるべきかを知ることが重要です。

今回は妊活の教科書より、妊婦が避けるべき食品とその理由について詳しく解説しますので、ぜひご覧ください。

目次

妊娠中に摂取する食品の影響について

妊娠中に摂取する食品は、母体の健康だけでなく、胎児の成長や発育にも直接的な影響を与えます。そして、食品には胎児に悪影響を及ぼす可能性のある細菌やウイルスが含まれていることがあり、これらが原因で流産や早産、胎児の発育不全などが引き起こされる場合もあります。

妊娠中の免疫力低下に注意

妊娠中はホルモンバランスの変化により免疫力が低下しやすく、通常よりも感染症にかかるリスクが高まります。そのため、食品を通じて細菌や寄生虫に感染しないようにすることが大切です。

妊婦が食べてはいけないもの

妊娠中にリスクを伴う食品について見ていきましょう。

妊婦が食べてはいけないもの1.生の魚介類

生の魚介類にはリステリア菌や寄生虫(アニサキスなど)が含まれている可能性があります。リステリア菌は流産や早産の原因となることがあるため、加熱調理済みの魚を選びましょう。

妊婦が食べてはいけないもの2.生卵

生卵にはサルモネラ菌が含まれる場合があり、激しい下痢を引き起こす可能性があります。そのため、妊娠中は卵をしっかりと加熱してから摂取することが推奨されます。

妊婦が食べてはいけないもの3.生ハムやローストビーフ

これらの加工食品にはトキソプラズマという寄生虫やリステリア菌が含まれる可能性があります。妊娠中に初めてトキソプラズマに感染した場合は、約30%で胎盤を通じて胎児に感染するとされています。ですので、加熱処理されていない肉製品は避け、火が通った状態で食べるようにしましょう。

妊婦が食べてはいけないもの4.レアステーキやたたき

中心部までしっかりと加熱されていない肉類は、細菌感染のリスクがあります。特に牛肉や鶏肉のたたきは避けるべきです。

妊婦が食べてはいけないもの5.貝類

生の貝類にはノロウイルスが含まれることがありますので、しっかり加熱された貝類を選ぶことが大切です。

妊婦が避けるべき飲み物

続いて、妊婦が避けるべき飲み物について見ていきましょう。

妊婦が避けるべき飲み物1.カフェインを多く含む飲料

過剰なカフェイン摂取は流産や早産のリスクを高めるとされています。妊婦が1日に摂取しても安全とされるカフェイン量は約200mgまでとされています。

妊婦が避けるべき飲み物2.アルコール

妊娠中のアルコール摂取は胎児性アルコール症候群(FAS)を引き起こす可能性があります。これは胎児の脳や身体の発育に深刻な影響を及ぼします。妊娠中は完全に避けることが推奨されます。

妊娠中に食品を選ぶ際の注意点

妊娠中は避けるべき食品を把握するだけでなく、食品の選び方にも注意を払う必要があります。食品を購入する際には、製品ラベルを確認し、消費期限や加熱処理の有無を確認することが大切です。また、できるだけ新鮮なものを選ぶようにしましょう。

調理と保存のポイント

食の安全のために、以下のポイントは押さえておきましょう。

  • 生の食品と調理済みの食品は分けて保存し、交差汚染を防ぐ
  • 食材をしっかり加熱し、中心部まで火を通す
  • 冷蔵庫内の温度管理を徹底し、食材が適切に保存されているか確認する

食事はバランス良く摂取すること

妊娠中に食べられない食品がある一方で、安全で栄養価の高い食品も数多くあります。新鮮な野菜や果物、全粒穀物、タンパク質を含む食品をバランスよく摂取することで、母体と胎児の健康を守ることができます。食事制限がストレスにならないよう、食生活を工夫して楽しむことも大切です。

まとめ:妊婦が食べてはいけないものとは?避けるべき食品について

いかがでしたか?今回の内容としては、

  • 妊娠中は生ものや未加熱の食品を避け、食材をしっかりと加熱する
  • アルコール摂取やコーヒー過剰摂取には気を付ける
  • カフェインの摂取量は1日200mg以下に抑える
  • 購入時や調理時に食品の安全性を確認する
  • 栄養バランスを意識し、妊娠生活を楽しむ工夫を取り入れる

以上の点が重要なポイントでした。妊娠中の食生活は、母子の健康を守る大切な要素です。妊婦が食べてはいけないもの、避けるべきものはいくつもありますので、正しい知識を持ち、安心して食事を楽しみながら健やかな妊娠期間を過ごしてください。

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この記事の監修

成川希のアバター 成川希 産科婦人科専門医、女性ヘルスケア専門医、日本抗加齢医学会専門医、産業医

岐阜県生まれ。岐阜大学医学部を卒業後、同大学産婦人科に入局し岐阜県内の病院で勤務。AUCM(米国補完医療大学)、インド国立グジャラートアーユルヴェーダ大学病院、JIVAアーユルヴェーダクリニックなどでアーユルヴェーダの研修と実践を重ねる。
2016年から東京に拠点を移し、都内婦人科で臨床医として現場に立つ一方、2022年9月よりアーユルヴェーダの観点からの診察・施術を行うAyurvedaUniverse(アーユルヴェーダユニバース)代表。
産科婦人科専門医、女性ヘルスケア専門医、日本抗加齢医学会専門医、産業医

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